1/18の記事で映画「デスノート後編」の事を書きましたが、そこで原作のマンガ本も入手する話しをしています。
何故今頃そんな話をするのかと言えば・・・
そうです。
やっと全12巻入手したんです!
さあ、一気に読むぞ~
…。
物凄い活字の量・・・
こんなの一気に読むのは無理!
結局全12巻を一週間かかって読みましたよ。
ちょっと前にアニメ版の総集編みたいな番組も観ることが出来たので、これで全メディア作品コンプリートした事になります。
それぞれのデスノートの感想を書いてみます。
■原作マンガ本(全12巻)
第一部と言われているLが死ぬところまでは非常に良く出来たストーリーでした。
(ヨツバの話しではちょっと中だるみがあったし、趣向が変わった感じがして違和感を覚えましたが)
マンガなのに描かれている絵はいつも同じ室内で座って話している場面です。
基本的には動きが無いマンガで、ある種小説を読んでいる錯覚に陥るくらいでした。
でも、先の展開が読めない上質のミステリー作品のようで、何の苦痛もなく読むことが出来ました。
そう言った意味では、とても少年誌に連載されていたマンガとは思えない作りですね。
しかし、第二部からは月が全く冴えない人になり、Lの後継者であるニアにいいように追い詰められます。
とても第一部と同一人物とは思えないくらいのダメ人間っぷり。
そして非常に動きがあるマンガへと変わっていきました。
飛行機に乗ったり、ミサイルが登場したり、完全武装でアジトへ乗り込んだり。
第一部とは全然違う趣向にビックリしました。
頭脳戦を展開していた第一部、肉弾戦の第二部って感じです。
そして、いよいよ物語りも終盤に差し掛かってからやっと月とニアの頭脳戦のような展開になってきましたが、それがまた微妙なカラクリで・・・。
最終的にはニアが勝つのですが、それもほとんど運で勝利したと言ってもいいでしょう。
それなのにニアは月に対して勝負を挑み、日時と場所まで指定したんですから、何処にそんな自信があったのか不思議でなりません。
最初から運が味方するとでも思っていたのでしょうか?
世間では第二部は批判されていたようですが、まぁ、たしかに「デスノート」の扱いが雑で、ストーリーもかなり強引かつ違和感だらけで、トリックも行き当たりばったりで運に頼ったものとなっています。
批判されても仕方ないように感じますが、この作品はラストの月が壊れるシーンをかなり長々と描いています。
負けたくない。
捕まりたくない。
死にたくない。
最後の最後まで悶え、喚き、苦しんでまで「生」に執着しました。
デスノートで人を沢山殺し、自らを神と呼んでいた者が「生」へのこだわりをみせたのは、死んだしまったら「天国でも地獄でもない場所」・・・
つまり「無」となる事を知っていたからでしょう。
ラストの月が壊れてから描かれている「無」への帰順。
これこそが本作品のメインテーマであり描きたかった事なのだと思いました。
■映画版(前・後編)
実写となったデスノートですが、基本的には原作の第一部までの内容となっています。
しかし、ラストは原作と違う展開で、むしろデスノートとしてはこちらが理想的な終り方のように感じます。
個人的に原作では中だるみを感じていたヨツバのエピソードは排除し、高田清美を使うあたり非常に良いセンスだし、レムがデスノートを託す人選としてある程度納得できるものとなりました。
ラストは原作の第一部と同じく、ミサが再度疑われてそれを助ける為に死神レムがデスノートにLの名前を書きます。
しかし、映画版ではそこにノートをニセモノに入れ替えるトリック…原作の第二部の最後のトリックですが、それを上手く融合させつつ原作を上回るトリックである「自分の名前をノートに書く」をやってのけたのです。
この衝撃のトリックは本当にすごいです。
私は映画を先に観たのでこのトリックのすごさは単によく出来たトリックだなぁ、としか思っていませんでしたが、原作を読んでからはますます映画版の出来の良さにビックリさせられました。
(DVDを購入して再度観てみました)
また、俳優人の演技にも驚かされました。
原作のキラの悪人顔や最後の生への執着のシーンなんかは、本当に鬼気迫る見事な演技でした。
Lなんて原作と全く同じだしw
死神も違和感無く画面に融合していてすばらしい出来です。
原作のデスノートファンでも十分納得出来る作品になったと思います。
(個人的には原作より映画版の方が気に入ってます)
■アニメ版
さて、アニメ版は忠実に原作に沿って進んでいます。
キャラクター達も原作の雰囲気に近く、よく出来ていると言えます。
ストーリー的には第一部のLが死に月(キラ)が勝利して終わるのですが、何故か最後の最後で死神のリュークがデスノートに月の名前を書いてアニメ版は終ってしまいます。
リュークが月の名前を書き込んだ経緯が全く描かれておらず、本当に唐突に月の名前を書いて終わります。
TVの前で唖然として空いた口が塞がりませんでしたw
無理に月の名前をリュークに書かせて終る必要なんて全くありません。
原作では月は負けて終っています。
映画では月が勝負では負けていますが、Lも死んでいますので引き分け。
だからアニメ版では月が勝って終るのかと思ったのにまさかの終り方…。
それまで真剣に見てきた時間が急に勿体無く思えてきました。
台無しですね。
ぐわ!
めっちゃ長い記事になっちゃったなぁ。
どちらにしてもこの「デスノート」という作品。
この作品が名作である事は間違いありません。
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